和装衣裳あれやこれや~柄編~
奈良和婚ブログをご覧いただきまして有難うございます。
ヘアメイク・着付けを担当しております婚礼美容師:宇都早苗です。
今回はご婚礼衣裳に用いられる柄についてお話をしてみようかと思います。
和装衣裳の伝統的な柄は『吉祥柄』といわれ、幸福を願う縁起物が用いられています。
代表的な柄をとりあげて、その意味についてお話してみたいと思います。
まずは、植物をモチーフにしたもの、
松竹梅
三つ一緒に描かれる事が多いですが、単体でも描かれます。冬でも緑が絶えない「松」、寒さに負けずまっすぐ上にのびる「竹」、寒さに耐え春一番に開花する「梅」・・・この三つを合わせて、つらい状況でも節操を守る、忍耐力や美しさの象徴とされています。
桜
日本を象徴する花です。昔から皆に愛されている花でもあり、神が宿る花とされているそうです。春に開花するということもあり、人生のスタートを意味している、一年中用いられる柄です。
牡丹
幸福や富貴を表す柄だそうです。色味が鮮やかで大花に描かれる牡丹の柄は衣裳を華やかにしてくれます。
菊
不老長寿、無病息災の意味が込められています。菊の花は気高さを表す柄でもあります。
次は生物をモチーフにした柄について、
亀
「鶴は万年、亀は千年」という言葉があるように、亀は長寿の象徴です。甲羅の形である六角形をモチーフにした『亀甲』として取り入れられる事も多くございます。
鶴
亀と同じく、長寿の象徴。鶴は生涯々相手と添い遂げる事から、婚礼衣装では多く用いられています。夫婦鶴などといわれているように、必ず2羽以上の鶴が描かれています。
鴛鴦
鴛鴦(おしどり)は夫婦円満、良縁、生涯連れ添うなどの意味があります。鴛鴦のフォルムも福々しく可愛らしい柄です。
蝶
サナギから羽化し大空へ羽ばたいていく様から、出世や不老不死などをイメージする吉祥模様とされています。
その他モチーフでは、
宝尽し
『七宝、打ち出の小槌、巻物、宝袋』など縁起の良い柄が描かれた模様。豊かな将来を願った模様です。
雲
空高くたなびく雲をモチーフにした『瑞雲』は、良いことが起きる前触れとして現れる雲とされます。
流水
絶えることなく繰り返される波や水の波紋に永遠の意味を重ねています。
以上のように、花嫁衣裳に描かれるお柄には、「花嫁が幸せになってほしい」という花嫁様を取り巻く皆様方の思いが込められているのです。
思いは人それぞれ、その思いをどれだけ形に出来るか・・・沢山ヒアリングをさせていただいて、一緒にご相談させていただきます。
花嫁様の『なりたい』を叶えたい・・・、そんな気持ちで、ある時はアイテムをつかってみたり、色々な作戦を練ってみたりしながら、ヘアメイク・着付けを担当させていただきます。
今年一年、7シリーズに分けて和装衣裳について、婚礼美容師としての視点で色々なお話をさせていただきました。
早いもので明日はXmas、そして今年も残すところ1週間ですね。皆様大切な方々との団欒の機会も多いことでしょう。
今年一年、アトリエ ステディ:奈良和婚をご愛顧下さり有難うございました。
来年もまた真摯な気持ちで、大好きな婚礼美容に取り組んで参りたいと存じます。
皆様どうぞ楽しい年末をお過し下さいませ🎄そしてどうぞよいお正月をお迎えくださいませ🎍