和装衣裳あれやこれや~色編~
奈良和婚ブログをご覧いただきまして有難うございます。
ヘアメイク・着付けを担当しております宇都早苗です。
今回はご婚礼衣裳にみる色と柄についてお話をしてみようかと思います。
花婿様花嫁様、お二人を祝う親しい方々・・・色に込めたそれぞれの思い・・・
そんな角度から、お衣裳につかわれている色を考えてみます。
先ずは、最も多く使用されている
生命力みなぎる情熱の赤。
血液の色でもあることから、嫁ぎ先の色に染まります、という意味があるそうです。
厄除け・魔除けの意味を持ち、神社仏閣の鳥居や橋などに用いられています。
平安時代、一定以上の高貴な身分でなければ身につけられない「禁色(きんじき)」とされていました。
「一生懸命お仕えする決意」をあらわします。
全てをのみこむ絶対的な力を持つ孤高の黒。
高級感やフォーマル感、格式を感じさせる色です。
落ち着いた雰囲気と凜とした美しさを演出したり、他の色を鮮やかに際立たせる色でもあります。
祝儀においての黒は、「嫁いだ後、何ものにも染まらぬ決意」の象徴です。
愛情をイメージさせる桃色。 女性的で柔らかく、幸せを感じる色でもあります。
桃の節句や桜など、春をイメージさせる愛らしい色です。
珊瑚色、紅梅色、薄紅色、桃色など、ピンク色の色合いは多彩です。
知性と冷静さを感じさせる信頼の青。
高潔・純粋を表し、気品と知性を感じさせます。
日本でもふるくから愛用されている色です。
自然の持つ癒しと生命の緑。
自然をイメージさせる緑は、きらびやかな柄や花嫁の表情を引き立て優しい印象を与えます。
新緑の黄緑~常緑の深緑まで、彩度により雰囲気が大きく異なります。
高貴、豊穣、神聖。
冨や稔り、不変や神聖などの意味があり、和装の最高峰、婚礼衣装には多く取り入れられています。
金糸・銀糸を織り上げてつくられたのものが、『錦』です。
婚礼ではお馴染みの白。
清廉潔白で濁りの無い白。「嫁ぎ先に染まる、真っ白なまま嫁ぐ」という意味があります。
その他に、紫も人気のお色ですが、こちらは、赤と青を混ぜた色でもあり、色のもつ意味は、高貴、神秘的・・・などがあげられます。
どの色も合わせる色によって、様々なイメージになります。
それぞれの色に込められた意味をお知りになった上で、花嫁様の運命の一着を選んでいただけますと、お衣裳選びもさらに楽しんでいただけることと存じます。
思いは人それぞれ、その思いをどれだけ形に出来るか・・・沢山ヒアリングをさせていただいて、一緒にご相談させていただきます。
花嫁様の『なりたい』を叶えたい・・・、そんな気持ちで、
ある時はアイテムをつかってみたり、色々な作戦を練ってみたりしながら、ヘアメイク・着付けを担当させていただきます。
ではまた機会がありましたら・・・